Arron

高級レザーの本場トスカーナの革工房「Arron」

1976年、イタリア・トスカーナ州アレッツォにて、アルフレード・ザローニ氏とその妻スザンナ・ファルチネリ氏によって創業された「Cinturificio Zarroni(ザローニベルト工場)」は、卓越した手作業技術と強い起業家精神を持ち合わせていました。トスカーナ地方は、世界中のハイブランドがレザーを求める高級皮革の本場として知られており、その地で生まれた同社の紳士用ベルトは、瞬く間に有名ファッションブランドの信頼を獲得し、時を超えて続く職人技の基盤を築きました。

1993年、新たな展望を得ながらも職人の魂と家族経営を変わらず維持し、「Arron(アロン)」が誕生しました。伝統と革新を融合させ、「メイド・イン・イタリー」への取り組みをさらに強化する新たな時代の幕開けとなったのです。

1995年には、長女タマラ・ザローニ氏が会社の経営陣に加わり、2012年には末娘エレオノーラ・ザローニ氏も参加。家族全員でのさらなる力強さを得たArronは、新しいアイデアや新鮮さを注入し、職人伝統を更新しながら常に高い品質を維持しています。

2013年、Arronは製品ラインを拡張し、真のイタリア製バッグコレクションを導入することを決定しました。この拡張により、国際的な見本市に積極的に参加することが可能となり、新たな市場機会を開拓するとともに、革新的なデザインと高品質の製品でブランド力をさらに強化しました。

職人技と現代性の融合

Arronの製品は、伝統的なトスカーナの職人技と現代的なデザインが融合したものです。アレッツォの自社工場で、デザインから製造まで一貫して行われており、短いサプライチェーンを採用することで地域を活性化させ、環境への影響を軽減しています。使用される原材料は厳選されたイタリア産で、中でもトスカーナ産を優先。これにより、製品には本物の品質、耐久性、そして時代を超えた美しさが宿ります。

Arronのバッグは、経験豊富な職人技と現代のテクノロジーが融合する丁寧な製造工程を経て生まれたユニークな作品です。これらは、機能性、個性、耐久性を求める方々のためにデザインされています。

持続可能性と倫理への取り組み

Arronは、持続可能性と倫理的な生産をブランド哲学の中心に据えています。環境に優しい生産プロセスを重視し、健全で平和的な家族のような職場環境を推進しています。
使用する革は食品産業の副産物であり、革のために動物を育てたり犠牲にすることはありません。また、なめし加工がなければ何百万トンもの生皮が廃棄物となり、大きな環境負荷を引き起こすことになりますが、私たちはそれらを防いでいます。また、革の大きな利点の一つはその耐久性です。質の高い革製品は数十年持つことができるため頻繁に買い換える必要がなくなり、結果として全体的に環境負荷が軽減されます。

Arronが使用する革は、最高の環境基準を尊重し、水消費量の削減や廃水処理の改善、鞣しプロセスでの化学物質の使用を最小限に抑えるなどの取り組みを行う認定トスカーナタンナーから供給されています。

さらに、受注生産を行うことで在庫、廃棄物、残り物を削減し、リサイクル綿の裏地を使用するなど、廃棄物を再利用し、キーホルダーやカードケースなどの小型革製品に変える取り組みも行っています。

ディレクター兼デザイナー Eleonora Zarroni
製造責任者 Tamara Zarroni

グローバル展開への展望:世界へ広がるArronの美学

Arronはこれまで、イタリア国内を中心に、限られた流通チャネルでその品質を守りながら成長してきました。しかし近年では、その伝統と革新を融合させたスタイル、そして持続可能性への深いコミットメントが、国際市場でも大きな注目を集めています。

環境負荷の少ない短いサプライチェーン、革新的かつ丁寧な手仕事、そして何よりも「使う人の人生に寄り添うバッグ」であるという思想は、国境を越えて共感を呼んでいます。今後、Arronは世界中の"本物"を求める人々に向けて、トスカーナの風土と精神を宿した製品を届けていくことでしょう。

Instagram Official